(こちらもどうぞ→「なぜ温泉地は地熱発電に反対するのか」)
1.地熱開発の概要(ソース:道新、道建新、釧新、SankeiBIZ、各地熱発電所HP)
・事業者 石油資源開発株式会社
・場所 釧路市阿寒町 フレベツ岳周辺 フレベツ岳は阿寒湖の南西4qほどに位置
※阿寒国立公園内かつ国有林内
↓地図表示のためjavascript使用、悪意あるものではありません
・発電容量 3〜5万kW×3基=9〜15万kW級
一世帯あたりの電力消費は3kWくらいとのこと、換算すると3万〜5万世帯分の電気を生産できるようだ
・施設のサイズ 不明
※既に建設されている地熱発電所の例からすると、敷地面積は数十ヘクタールは必要なのでは
2.地熱開発の経緯(ソース:釧路市HP、環境省HP、道新、釧新)
・昭和63年 旧阿寒町内4か所で地熱調査。有力な地熱帯が見つかったようだが、当時は話が進まなかった。当時の環境庁は強く反対していたらしい。
・平成23年〜 東日本大震災、とくに原発事故の影響で、脱原発・再生エネルギーの動きが強まる
・平成24年3月 環境省が地熱開発に対する態度を軟化させた。
具体的には、地元での合意形成や環境への配慮などを充分に行うなら、国立公園内の規制が緩やかな地域では、地熱開発を認めるという規制緩和を打ち出した。(→環境省HP)
・平成24年5月 釧路市は、阿寒観光協会など地元観光関連団体からの「温泉」「まりも」「世界遺産を目指した動き」への影響を懸念するとの意見を踏まえ、地熱開発について慎重な判断が必要だという、事実上の反対意見を表明した(→釧路市HP)
・平成25年以降は特に目立った動きはない
3.メリット
・国内のエネルギー問題への貢献、特に再生エネルギーの導入を牽引する
・地元への経済的貢献(交付金、税収、工事等による雇用)
(…たしかに貢献はあるだろうが、具体的なところが解らない。特に地元への経済的貢献については、具体的な数字はどこにも出て来ないのだ)
・発電事業者の利益
(…これが一番おおきかったりして)
4.デメリット、問題・課題
・温泉への影響
フレベツ近傍には、3つの温泉地がある。
【阿寒湖温泉】
阿寒湖南部にある言わずと知れた有名地で、大型ホテルや中小の旅館・民宿がある。
宿泊客を対象にした土産品店もたくさんあり、昔からある温泉街といったところか
泉質は単純泉か硫黄化水素泉だが、クセがない単純泉の方が多いように思う。
【雌阿寒温泉】
オンネトー北部に位置。野中温泉など3件の宿、浴場がある。
硫黄泉で時間がたつと濁りが入る。濃い硫化水素臭が漂う。
阿寒湖温泉とは違った、ひなびた感じがよいと思う。雌阿寒登山の前後で寄りやすい。
【雄阿寒温泉】
まりも国道と横断道路の合流点からやや南。
何十年か前までホテルがあった。新聞によると、ホテルが再建築されるらしい。たしかにまりも国道から、工事している様子が見える
今は入浴できず泉質不明。古参に聞けば、阿寒湖温泉と近かったとのことであるが…。
この3か所の温泉地にとっては、まさに温泉は生命線だろう。温泉の変質や枯渇は地域をゆるがすと言っても過言ではないかもしれない。阿寒湖温泉では今も年間数十万人の宿泊があるそうだ。単価の高い温泉地だから、宿泊代の売り上げだけでも数十億以上、土産品や遊覧船なども含めれば、もっと多くの売上があるだろう。これが地域の経済基盤だ
また、これらの売り上げの一部は、阿寒湖一帯の地主である前田一歩園財団を通して、周辺の山林の保護、育林などにも充当されているとのこと。
もし温泉が枯渇でもすれば、これらが泡のように消えるかもしれないのだから、地元が地熱開発に反対するのは当たり前ともいえる。
大和総研のレポート等によると、昔は普通の温泉(浅い場所から湧き出る)と、地熱発電に使う熱源(大深度の地下)の間には不透水、いわゆるキャップロックがあり、影響はないと言われてきたが、最近の考え方では、大深度の熱源から地表近くの温泉まで「シームレス」と捉える必要もありそうなのだ(→PDF)。温泉地としては、このキャップロックが完全な状態で存在するのか、かなり気になるところではないか。
また、地形上の分水嶺と、地下水脈の分水嶺は、必ずしも一致しないらしい。(→JAEAサイト)
ということは、各温泉とは山を隔てているから、深度が違うからという理由だけで、温泉への影響が無いと言い切ることはできないと考えるのが道理で、温泉関係者が心配するのも無理はないことだ。
さらに地熱発電では、運転を始めたのち、なぜかどんどん出力が低下していく例がある。スケールと呼ばれる沈着物で、蒸気を採取するパイプが詰まるというのも理由だが、もっと根源的な場合もある。蒸気の採取量が実は過剰であって、地下の熱源自体が不調となるケースだ。(→解説サイト)こういった不調を穴埋めするため、新たな蒸気の井戸を続々と新設しているところも多い。地熱開発は当初の予定通りにはいかないところが多くあるわけだが、ならば温泉への影響も当初の予測通りと言い切れないのではという疑念も生じてくる。
石油資源開発はじめ開発サイドで、充分な調査やシミュレーションをして、影響が無いことを保証する、あるいは何か影響があった場合の補償、補てんをきちんと行うなど、そういった配慮もなしでは地元は納得できないだろう。 後述するが、国内でも、地熱開発の進展に伴って枯渇したと思しき温泉があるのだから。
・環境への影響
釧路市の反対表明文には、「まりもへの影響」も挙げられている。
まりもは地域のシンボルであり、またバスケットボールほどの大きな球状に育つのは、今や世界中で阿寒湖だけという話(市まりも研究室・若菜博士の講演にて)だ。文化財法で守られており、直接売って金に換えたりはできないが、金には代えられない価値があるのは明らか。
実は阿寒湖をはじめ、周辺の湖や沼の底からは温泉がわき出しているのだが、水生植物が旺盛に育っていくのに、この湖底からの温泉も作用している可能性がある(同じく若菜博士)ようだ。もし温泉の量や質に変化があれば、まりもをはじめ地域の生物にも悪影響が及ぶのではないか、という心配が生じてくるのも当然だ。
関連して、阿寒には「ボッケ」という噴気地帯が点在している。あるガイドから聞いたところでは、地温が高いために、北海道にはほとんどいない、もっと南の方に居るはずの昆虫が局地的にひっそり生き残っているそうだ。もし、こういった噴気地帯にも影響が出るのであれば、やはり自然保護の立場からすれば、困りものだ。
釧路市の反対表明文では触れられていないが、景観への影響も大きくなりそうだ。
フレベツ岳自体には登山道は通っていないが、周辺の登山可能な山である雄阿寒や雌阿寒、阿寒富士からは、フレベツ岳が見える。ここに数十ヘクタールもの敷地が設けられることになるのだろうが、数十ヘクタールと言えば、オンネトーやペンケトーよりも広いくらいだ。それほどの面積の森林を伐採し、無機質な施設が林立するとなると、かなり目立つものになるのではなかろうか。
阿寒の山は小さいが、ひとたび登れば人工物や人工林のほとんどない景色が眼下に広がるのが魅力だ。太古から阿寒に出入りしていたアイヌの先達や、入植した開拓者も同じ景色を見ていたのであろうと思えば、感動もひとしおである。それが台無しになる可能性もあると思え、山屋としては見過ごせない。
森林伐採に関連していえば、もしそこに希少な植物や、猛禽類などが営巣していれば、そちらへの影響も心配だ。人が直接利益を得る対象ではないだけに、発電事業者のみならず、地元関係者にすら軽視されるのではないかという懸念も捨てきれない。
・世界自然遺産登録への影響
道新の記事等によれば、まりもを育む阿寒湖をはじめ、大小の周辺の湖沼もセットにして、遺産登録を目指すというのが最近の流れであるようだ。先述のとおり、阿寒の湖沼には温泉が湧いていて、これが湖の水質や生物に関与しているらしいから、もし地熱発電で影響でも出れば、大きなブレーキになってしまう。
そもそも、世界自然遺産を目指すということは、これまで以上にきちんと自然を保護していくと世界に約束していくのと同じなのだから、その脇で大型開発を進めるというのは、ありえない話なのだ。
・災害への影響
これも釧路市の反対表明では触れられていないが、フレベツは活火山である雌阿寒岳に近く、火山噴火による発電所の被災、地熱開発による火山活動への影響なども気になるところだ。
道内では有珠や樽前、十勝岳など小生らが生まれてから大噴火した火山がいくつかある。北海道の火山は活きているのだ。
雌阿寒岳だって、数年前に小規模ながら噴火していて、登山規制がかけられていた。雌阿寒では気象庁らがハザードマップを作成しているが、大規模な噴火時にはフレベツ中腹〜山麓にも火砕流や火砕サージが届くと予想している。
想定外をなくすというのが近年の防災の流行だが、発電所が被災した場合どうなるのかも考えておく必要はないだろうか。
また、小生らが調べたところ、スイスでは地熱開発により地震がおきた例があるそうだ(→紹介サイト)。だから阿寒でも地震が起こるとまでは言わないが、自然災害、ことに地震には注目があつまる昨今、このあたりも気にならないわけではない。
・地元経済への貢献度
地熱発電に限らず、発電所の建設にあたっては、発電所による地元への経済的な貢献がメリットとして説明されることが多い。発電所や発電事業者のHPを見ると、そういった魅力的な言葉が並んでいる。
一つは、交付金だ。発電規模や原子力、水力などの発電方式によって交付金の額は様々のようだ。地熱に関しての資料は見つからなかったが、たとえば原子力の電源立地交付金なら750円/kWだそうだ。地熱も同様なら、阿寒の地熱発電所では9〜15万kWだから、せいぜい年間で1億1250万円くらいか?思ったよりも少ないね。阿寒での地熱開発で、実際にどの程度の交付金が配られるのかは、よくわからないが。
二つ目は、発電所にかけられる固定資産税など税金だ。大きな事業所なので、何億といったそれなりの額になるのだろう。しかし固定資産税というのは、時間の経過とともにだんだん目減りしていく。皆さんの自宅や店舗もそうだろう。
始めはたくさんもらえても、いずれスズメの涙になる。長く高額の税金を取ろうと思えば、設備の増設に次ぐ増設をということになる。 また、当初の計画通りの発電規模を維持できず、下方修正している発電所もある。法人税ほかの税収も、当初の説明より値下がりしていくこともありうるのではないか。
三つ目は、工事の際の雇用だ。地元雇用が増えるというものだ。
発電所の建設は当然ながら、普通の民家やビルを建てるより大きな額が動くわけで、規模にもよるが、工事費全体は数十億とか数百億とかになるそうだ。この何十億だか何百億だかが地元に落ちてくるとイメージしがちだが、そうではない。
発電機の作成や蒸気を得るための掘削などは非常に専門的な仕事も多く、全部が全部、地元業者で受けられるわけではない。おそらくは、単純な土建や資材の運搬など誰でもできる仕事だけが、下請けとして、つまりピンハネされたうえで地元に落ちてくるのだろうと思う。単なる下請けならまだしも、孫請け、4次、5次請けともなればどうだろう。いったい総工費の何%くらいが地元雇用にまわるのだろうか?
また、工事は何年かで終わってしまう。地熱発電所は、運転を開始すれば殆ど人手はいらないらしいから、運転開始後の地元雇用など、たかが知れているのではないか?
ということで、交付金以外は一過性かつ思ったほどではない経済貢献に終わるのではないか?そしてその一過性の分も、原子力ムラでイメージするような巨額にはきっとならないだろう。
市町村や土建業者としては無いよりは良いだろうが、郷土の自然と天秤にかけるに値する額が実際に地元に来るのか、きちんと考えるべきだ。小銭をちらつかせば地元は黙る、しっぽを振るなどと思われたくはないだろう。
5.阿寒の山で地熱開発をするべきか否か?
温泉や自然への影響の有無と、地熱開発による地元へのメリットを天秤にかけることになるのだろうが、現状ではおのずと反対の立場にならざるを得ないのではなかろうか。その理由としては、
(1)地熱開発により影響が出た、出たと思われる例がある
スイス・バーゼルの事例は先に述べたとおりだが、国内の地熱発電所近傍の温泉地でも、湯量の減少などが生じている例があるようだ(→霧島温泉を守る会)。九州にあるえびの高原では、地熱発電所の建設後、しばらくして湯温や噴気が低下し、ついには枯渇している。因果関係ははっきりと証明されていないのかもしれないが、逆に言えば可能性は否定できないということでは?
因果関係の証明が無ければ、開発サイドは「温泉への影響がでたと確定している例はない、安心しなさい」と言うのだろう。確かにそれは嘘ではない。しかし温泉で食っている地元にとっては、その発言の元になった情報が、「影響が無いと証明された」「よくわからない」「影響が出てそうだが、まだ立証されてない」のいずれなのかが一番気になるところではないか?そこを説明するのが順当ではないか。
温泉、まりもをはじめとする阿寒の自然、やはり万が一でも影響が出るのは困る。安全を見れば、少なくとも賛成とは言えないだろう。
(2)影響を低減させる努力が不十分の可能性
伝え聞くところでは、これまでの事業者からの説明等では、「影響はない」「影響は軽微」の主張が強く、影響を低減させるための対策についてはあまり議論されていないらしい。それが真実であるならば、問題だろう。影響はほとんど出ないかもしれないが、リスクをいっそう下げるため、念のため対策は施しますというのが本筋と思うが…。
(3)前提条件の不確実さ
先に述べたとおり、地熱発電所では運転開始後、熱源の不調などにより当初の予定を大幅に下回る出力しか確保できず、続々と新たな蒸気採取の孔を掘削していく例が多い。当初の予定通りに行かなくて当たり前と言ってもよいかもしれない。しかし温泉や自然への影響についての検討は、きっと「当初の予定」に基づいたものでしかないだろう。そこに疑念が残る。
(4)何らかの影響が出た場合の補償、対策関係
何か影響があったとき、補償や対策を求めて、発電事業者を訴えようとすることもあるだろう。しかし日本の法律では、その因果関係を、訴える側が立証しなければならないという、越えられそうにない高いハードルがあるそうだ。内情は知らないが、阿寒でも同じようになるのではないか。
環境省も釧路市も、所詮はお役所仕事なのだから、積極的に訴えに出ることはないだろう。動くことになるのは観光協会や自然保護団体になるのだろうが、地熱や地下水の動態についてはシロウトだろうし(専門家ですら難儀するようだし)、さらに経済的な体力もないであろうから、事実上、訴えられないのも同然ではないか?。
こういったところをフォローするような補償のあり方を考えずして、地元に納得しろというのも酷な話だ。石油資源開発は、補償についてどのような説明を地元にしているのだろうか。
(5)地元への経済効果はあやふや
上記の霧島温泉を守る会によれば、発電事業者がわは地元雇用が生まれると力説するが、地元から具体的な数字を聞かれると、そこまで詳しく答える義理は無いと返しているようだ。それではあまりにも無責任ではないか。交付金の額についても、具体的な数字はなかなか見えてこない。阿寒ではどうなのだろうか? 発電所によって地元がどれだけ潤うかが具体的にわからないのに、観光産業がダメになるかもしれないリスクを負わせるというのは、やはり酷ではないか。
6.もし、やるのであれば?
自然が大切だから、温泉が大切だからと言って、国内の世論のこともあり、反対し続けられるとも限らない。肝心の環境省ですら、圧力に負けたのか態度を軟化させ、条件付ではあるものの、地熱開発を認めるようになっている。地元合意があればなどと、是非の判断を地元に丸投げする始末だ。
しかし、阿寒の山を、開発サイドの好きなようにさせるのも、忍びないではないか。
もしどうしても地熱発電を認めざるを得ない状況になったとしたら、地域のために、地域を訪れてくださる旅行者のためにも、せめて以下のことくらいは、妥協したくないところではないだろうか。
・丁寧な地元での合意形成を進める
直接の利害関係者だけでなく、上に書いたような懸念をひとつひとつ解決していくために、自然保護団体や、地学、生態学、生物学、防災、土木建築などの専門家なども幅ひろく集めて、阿寒での地熱開発をどう進めていくべきか、意見を交わす場を用意することが必要ではないだろうか?
・温泉や自然環境に対する影響の調査を、今まで以上にきちんと行う
3つの温泉地だけでなく、湖底からの温泉の湧出やボッケの噴気などにも対象を拡大して、きちんと調査をするべきだ。
昔から、「アセスメントはアワスメント(合わすメント)」と、開発サイドの都合に合わせた結果しか出て来ないといううわさもあるが、これが本当だとしたら、襟を正してほしいものだ。
当初の予定通りのパターンもさることながら、熱源が低調となり、蒸気の生産がうまくいかず新たな掘削をどんどん続けるという、地熱発電ではよくあるケースについても、調査やシミュレーションの対象とすべきではないだろうか。
・温泉や自然に影響があった場合の対策、補償を今まで以上にきちんと考える
先に述べた通りで、何かあっても、地元側は裁判に打って出ることができない。
地元というのは、反対している間は立場が強いが、安直に合意したが最後、開発が進めば立場が弱くなってしまう。
だからこそ事前に、地元と開発サイドで協定を結ぶなどして、裁判や法律にとらわれない、充分な対策や補償のありかたを考えていってはどうか。法律上は「因果関係が証明された場合しか対応してはならない」ではないはずだ。「影響が発生した可能性の段階でも、対応する」とすることは、開発サイドの考え方しだいのはずだ。
開発サイドはそれを過大な責任だと感じるだろうが、地元だって生活が、ともすれば地域の存続すらかかっているのだ。
・どうしても生じる影響は、最小限にさせる
発電所敷地の伐採は最小限にさせる、温泉の湧出に変化が生じれば、蒸気の採取を減らすなど。
また景観面では、発電所の施設をなるべく地下に作って、加えて敷地内の緑化をきちんとやって、一見しただけでは目立たなくするという方法も考えられる。これは工事費が増えるし工事期間も長くなるので、開発サイドはやりたがらないだろう。しかし工事費や工期がかさむということは、地元の土建業者にまわる金が増えるチャンスでもある。景観面と地元雇用を両立させる一石二鳥の対策だと思うが、どうだろうか?
・情報の開示を徹底する
地元への情報開示、例えば運転の状況、あるいは異常の状況など、様々な情報がきちんと地元に伝わることが大切だ。山の中で何をやっているのか地元では何も解らない、ではよくない。蒸気が足りず、新たに掘削する場合などは特に、地元は知っておかなければならないだろう。
・「地元経済への貢献」の内容具体化、拡充
どれだけの額が実際に地元へ落ちてくるのか確認して、不満ならいっそうの拡充を目指すべきだ。開発行為、特に中央の都合や利益のために地方の土地を明け渡すというのは、郷土の山を他所へ身売りするのに等しい。しかし売ると決めたのなら、二束三文で満足していてはいけない。阿寒の山の価値に見合った経済効果をもたらして貰おう。
・地域の自然保護への協力
何だかんだ言っても、山の一部をダメにしてしまうのには違いないのだから、ダメになった分と相殺できるくらいの保護事業などを、阿寒の別の山でしてもらえないものだろうか。
よくわからない怪しいお金をばら撒くよりは、そちらの方が将来的には地域のためになるに違いない。
以上、我々の考えをまとめてみました。
学生時代に地学をかじった山友達もいますが、「地面の下のことは、100%はわからない」「わからないのに手を付けるのは、ある意味では博打」とのことです。
阿寒での地熱開発について、議論や思案のネタにでもなれば、これ幸いです。
北海道在住 阿寒の山々と温泉を愛する有志一同 2014年7月吉日 同11月追記
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